行政書士試験★民法★合格ノート > 債権の効力 > 問(17−27−ア)民法 債権ー債権の効力 債権者代位権
債権の効力問(17−27−ア)民法 債権ー債権の効力 債権者代位権
問 (17−27−ア)
債権者代位権に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らして妥当かどうか。
ア 著名な陶芸家の真作とされた陶器がA→B→Cと順次売却された
が、後にこれが贋作と判明した場合において、無資力であるBがそ
の意思表示に要素の錯誤があることを認めているときは、Bみずか
ら当該意思表示の無効を主張する意思がなくても、Cは、Bに対す
る売買代金返還請求権を保全するために、Bの意思表示の錯誤によ
る無効を主張して、BのAに対する売買代金返還請求権を代位行使
することができる。
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妥当である
第九十五条(錯誤) 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。
(8−27−3)
第一編 総則
第五章 法律行為
第二節 意思表示(第九十三条―第九十八条の二)
第四百二十三条(債権者代位権) 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
(11−29−1 参照)
第三編 債権
第一章 総則
第二節 債権の効力
第二款 債権者代位権及び詐害行為取消権(第四百二十三条―第四百二十六条)
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錯誤による無効は表意者を保護するための制度
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表意者だけが主張できるのが原則
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しかし、第三者の債権保全の必要があり、
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表意者自身も錯誤を認めている場合には、
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当該第三者が錯誤無効の主張を代位行使することができる。
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◆昭和45年03月26日 最高裁第一小法廷・判決 昭和43(オ)27 油絵代金返還請求 民集第24巻3号151頁 【判示事項】 要素の錯誤による意思表示の無効を第三者が主張することが許される場合 【要旨】 第三者が表意者に対する債権を保全する必要がある場合において、表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、表意者みずからは該意思表示の無効を主張 する意思がなくても、右第三者は、右意思表示の無効を主張して、その結果生ずる表意者の債権を代位行使することが許される。 【参照法条】 民法95条,民法423条 原審は、訴外Aは、上告人から本件油絵二点を買い受けるに際し、上告人に対しとくにそれが真作に間違いないものかどうかを確めたところ、上告人が真作であることを保証する言動を示 したので、これを信じて買い受けたものであるが、右作品はいずれも贋作であつたとの事実を確定し、右事実関係に照らせば、右両者の間の売買契約においては本件油絵がいずれも真作 であることを意思表示の要素としたものであつて、Aの意思表示の要素に錯誤があり、右売買契約は要素に錯誤があるものとして無効で、上告人はAに対して売買代金三八万円を返還す べき義務がある旨判断したうえ、さらにすすんで、被上告人においてAの右意思表示の無効を主張し、被上告人のAに対する売買代金返還請求権を保全するため、Aの上告人に対する右 売買代金返還請求権を代位行使することを肯認しているのである。 ところで、意思表示の要素の錯誤については、表意者自身において、その意思表示に瑕疵を認めず、錯誤を理由として意思表示の無効を主張する意思がないときは、原則として、第三 者が右意思表示の無効を主張することは許されないものであるが(最高裁判所昭和三八年(オ)第一三四九号同四〇年九月一〇日第二小法廷判決、民集一九巻六号一五一二頁参 照)、当該第三者において表意者に対する債権を保全するため必要がある場合において、表意者が意思表示の瑕疵を認めているときは、表意者みずからは当該意思表示の無効を主張す る意思がなくても、第三者たる債権者は表意者の意思表示の錯誤による無効を主張することが許されるものと解するのが相当である。 これを本件についてみるに、被上告人は、Aに対する売買代金返還請求権を保全するため、Aのした意思表示の錯誤による無効を主張し、Aの上告人に対する売買代金返還請求権を代 位行使するものであつて、しかも、A自身においてもその意思表示に瑕疵があつたことを認めているのであるから、Aみずからが意思表示の無効を主張する意思を有すると否とにかかわら ず、被上告人がAの意思表示の無効を主張することは許されるものというべきである。 【解説】 錯誤による意思表示は無効となるが、この無効主張については、表意者自身が意思表示の瑕疵を認めないで錯誤による無効を主張する意思がないのに、相手方や第三者が無効主張す ることは許されないのが原則である。ただし、この例外として、(1)債権の保全の必要性があり、(2)表意者自身も意思表示の瑕疵を認めている、という要件がある場合には、第三者から の無効主張も許されるとしたのが上記判決である。 |